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キーンコーン カーンコーン──
ここは、アストルティアのどこかに存在すると言われているまぼろしの学校。あるぱー学園。
とある2人の教師が設立したこの私立高校。
2人に感銘を受け、入学したいとアストルティア中から集まった変人生徒達が、日々勉学に励んでいた。
ここはあるぱー学園の広報部。
1人しか存在しない部員のエルフと、
顧問の教師が机を並べて話し合っている。
あー…それにしても暇すぎる。広報部が1人しか居ないってどゆことなの。
仕方ないだろう。学園生徒の大半は演劇部なんだから。
まあ、体育教師であるアンタがこんな部活の顧問やってるくらいだし、他の部活もお察しはするけどね。
そもそもこの学園、教職員と生徒合わせて40人くらいしか在籍してない零細企業だからね。
なんでもっと人増やさないの? 大きくすればいいのに。
運営に言ってくれ。
む? このレポートと写真の束はなんだ?
普段の生活とか、学園外での出来事をまとめてあるんですよ。提出課題なんすけど、いまいち捗らなくて。
どれどれ。
ほう。思い出の数々ってやつか。懐かしい写真ばかりだな。
学園が出来てもう2年ですからねー…自然と積み重なってたわー。
早いもんだな…そうだ。暇なら、こういう課外活動をまとめたレポートを出せばいいんじゃないか?
めんどくさい
身も蓋も無いな。部活動は学生の本分でもあるんだぞ。そう言わずにやってみなよ。
まぁ…美術の時間とかとんでもないネタばかりですしね。
そてーちゃんは机の中から、額縁に飾られた一枚の絵画を取り出す。
何度見てもルカちゃんのプスゴンすごいよね。見てると、意図せず口角が歪んでしまうというか。
美術部のルカさんか。顧問の愛知先生も、100年に一度の天才だって称賛してたな。
定期的に開かれる学園の画伯大会でも、毎回金賞を受賞してるもんなあ。
4冠だっけか。えげつねえな。
美術授業に関する思い出は数え切れないね。これは後々に取っておこう。
どうだい? 振り返ってみると、案外ネタは尽きないんじゃないかな。
そですね。書き始めれば、筆は止まらないもんですわ。まー、ぼちぼちやりますよ。
一つ背伸びをしながら、写真に目を通すそてーちゃん。2年分の思い出が詰まった紙の束を眺めている内に、自然と笑みが溢れていたのだった。
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人物紹介
筋肉先生
学園設立者の1人。広報部の顧問。
筋肉を愛するが故に、固有名詞すら失った哀しきマッスルモンスター。筋肉という単語を連呼するが、本はバリバリのIT系出身のファッションビルダーである。
学園の経営を、ほぼ片割れであるジャスパー先生に一任している為、生徒達から陰でサブと呼ばれている。
そてーちゃん
広報部唯一の部員であり部長。
実兄の全てを奪った血塗られた過去を持つ。
素直な正確な為、感情がすぐ表に出るし、息をするように毒を吐く。